1pxにこだわる際の分岐点

1pxにこだわる際の分岐点

「神は細部に宿る」とはほんとによくできた言葉だと思う。これに反旗を翻す人はおそらくいないだろうし、デザイナーならディテールにこだわることに少なからず美徳を感じているはず。もはや当たり前になってしまったが故に言葉や思考だけが先走ってしまっていて、そもそもなんでこだわらないといけないの?や、どこまでこだわればいいの?の部分が抜け落ちてる気がしたので少し書いてみようと思う。

1px

便宜上1pxと書いているが言葉通りの意味だけではなく、もうちょっと広い範囲(色相、明度、彩度、サイズ、位置、余白、タイポグラフィ、アニメーションなど)での小さなこだわりを指す。そしてそのこだわりは多くの人には理解できない場合が多い。

「こだわるのは全然いいんだけど、こだわった結果なにがどう変わるの?」的な。

起こるインパクトを想像できない。そのちょっとの違いでCVRが変わるならともかく、デザイナーのエゴというか必要以上に神経質であれこれ悩んでるだけ、のようにみえてしまう。これは部分的には正しくて、そのこだわりがKPIに直接影響することはまずないし、仮にあるとするならそれはもう1pxの話ではないはず。という前提をふまえた上で、では何故多くのデザイナーは1pxにこだわるのか、またこだわらないといけないのか。

あほにみえるから

言葉を選ばずに書くと、あほにみえるから笑。関西でのあほは褒め言葉なんだけど(もちろんコンテキストに依る)、こっち(関東)だと結構相手を小バカにしたニュアンス。信頼感・安心感に欠けると言い換えてもいいし、本来の目的以外のところで損をしちゃうともいえる。

せっかくいいコンテンツを持ってるのに、ここがちょっとズレてるとか、ここがちょっと見にくいとかで、本来割く必要のないリソース(意識)を使っちゃうのが非常にもったいないし、その意識が積み上がっちゃうことで信頼感・安心感がどんどん損なわれていき、なんかやだなーになっちゃう。さらにひどくなると、こういうところもちゃんとできないなら、他にもっといっぱい問題があるはずと勘ぐってしまう。そこ(1px)をがんばることで加点にはならないんだけど、ないがしろにして減点されて全体の平均を下げるようじゃダメってこと。

どこまでこだわるか

お化粧する際の6つの指標

ここでも書いたけど最低限の指標を押さえることで簡単に60点は取れるしちゃんとやれば80点は固い。その先はリソースとの折り合いで、100点に近づけば近づくほど限りなく角度の高い曲線を描いていくので効率はどんどん落ちていく。だからどこでこだわるのをやめるのかがすごく大事。

誤解を恐れずに言うと、どんなにこだわり続けても100点になることは永遠にない。100点がそもそも存在しない、といってもいいかもしれない。1pxにこだわることの本来の目的を理解した上で、やめ時もちゃんと考えましょう。事業に入り込んだ形でデザイナーとして働く際の必要不可欠な考え方。

間違っても、サボテンの棘ひとつひとつの長さ、太さ、色、曲がり方をデザインしてはいけない。