取り除いてみると必要性がわかる

取り除いてみると必要性がわかる

付き合ってるときはそれほど思わなかったけど、別れて初めてその人の大切さや存在の大きさに気付いたことはないだろうか。そして気付いたときにはもう時遅し、胸に大きな穴が空いた感じ、あれ、こんなはずじゃなかった的な。

念のため断っておきますが、こんなセンチメンタルな話をすることが目的ではないです笑。ちゃんとUIとUXに関わる話をします。(導入に入れたかっただけです。)あれも必要、これもないといけない。要件を満たそうとあれこれ考えてついおなかいっぱいのインターフェースにしてしまう君へ、省いたり間引いたりすることを覚えると幸せになれるよの話。

4 ± 1

同時に覚えてられるもの、つまりは人間の短期記憶には限りがあるという。複数の論文があり諸説あるようだがだいたい4つ前後が相場だとか。頭の中に4つ箱があって1つなにかを覚える度に1つ箱を使う。モノやコトの大きさには影響されず、ある程度伸縮するらしい。5つ目を記憶しようと思ったら、すでに入れたどれかを取り出さなくちゃならない。だいたいの場合はもっとも最初に入れたものがそれにあたる。いわゆるスタックみたいなもの。もしかしたら普段の会話でも使うかもしれない。

「あー、スタックオーバーフローした(遠い目)」(あれこれタスクが多すぎてフリーズしてる状態)

とはいえ、インターフェースを構成する要素を4つ程度に抑えるなんて結構無理がある話なわけで、忘れてもいい状態に構成するか覚える対象そのものを抽象化もしくはグループ化して数を減らすか、のどちらかになるはず。もちろん両方同時に使ってもいい。ただ、残念ながらこれらの手段を用いたとしてもしんどい場面はある。目的によって機能群をまとめ、余白やコントラストを調整してできる限り関連性を整理整頓しても、これ、なんか盛りだくさんすぎねぇ?とエンジニアもデザイナーも頭を抱える状態。そんな場面にぼくは何度も立ち会ってきた。そんなときに使う魔法の言葉が2つある。

魔法の言葉1つ目「このインターフェースのメインシナリオはなに?

メインシナリオ

富士山を登るにも複数のルートがあるらしい。ぼくは登ったことがないのでさっぱり分からないが、普通に景色を楽しみなら登れるルートがあり、さらに難易度によって分かれてたり、○合目までは車でいけるとかロープウェイでいけるとか、もしくは、完全に想像だけど車椅子など足の不自由な人向けのルートなんてものもあるかもしれない。

でもきっと、多くの人はまずこのルートを使うよ、はあるはずで、そのルートがちゃんと保証され問題なく使えるねーになって初めて、こんなケース、あんなケース、と例外を考えるべきである。メインルートの上にロープウェイを垂らして、普通に景色を楽しみたい人のじゃまをするなんてのは絶対やっちゃいけないこと。サブシナリオを考慮してよかれと思って作ったものが、メインシナリオのじゃまになっていた、なんてことはないだろうか。

困る?ほんとに困る?

あってもなくてもどっちもいいものは、絶対にないほうがいい。よく言われる言葉ではあるが、これだけだとだいぶ弱いし、なにより説得力に欠ける。がんばって実装したエンジニアに対して、これ、あってもなくてもどっちでもいいからなくそうよーなんて笑顔でいえるだろうか、少なくともぼくは無理。だいたい、頭では理解できたとしても感情が追いつかないはず。

魔法の言葉2つ目「(要素を指して)もしこれがなくなったら、ユーザーはいつどのように困るの?

ここで明確な答えが出てこなかったら、なくすことを検討したほうがいい。(たとえ明確なシナリオがあってもそれがメインでないなら同様)

経験上、ポータルやダッシュボード系のインターフェースでこういう事象がよく起こる。あれこれ詰め込みたくなるのはわからなくもないが、そんなときこそ自問自答するべき。省くこと、間引くこと、をプロセスに落とし込む手段として、これらの魔法の言葉をぜひ唱えてほしいと思う。